我が家にクルマがくるまでは…

そろそろ子供も生まれるし、自家用車の再購入に弾みがついてきた!さて、何を購入しようか…購入までを徒然に。

日本車と輸入車

車選びというのは、本当に難しい。
 

今回の車選びは当初輸入車オンリーに絞っておりました。折しも国内では原油高ゆえのエコカー一辺倒に辟易しており、逆にそこまでの技術を持ち合わせていない大好きなランス勢が、シンプルながらまたもや楽しそうな車を提案してきていたからです。結果本命トゥインゴ、次点パンダ、大穴C4cactusのイメージで待つ覚悟でした。その時点では日本車で欲しいのが見当たらないのが正直なところでした。

 
以前乗っていたクルマはルノー・モデュスでしたが、以前のブログで書いた通り良いクルマだった反面結構な壊れ方をしてました。僕はそれでも好きだったのですが、嫁にはかなり嫌われておりました…。
嫁さんがそんな状態だったので、今回は全てをフラットに車を見て、日本車にも良いものがあればそれでいい!と開き直ったのです。
 
誤解のないように言いますと、僕は決して日本車が嫌なわけでもなんでもありません。むしろ日本車の歴史は誇るべきものですし、欧米列強(笑)との闘いの歴史は日本車だからこそ成し得たと考えております。
 
では何故輸入車に目が行くのか、僕の場合はスタイリングが要因でした。単純に輸入車がかっこよくなってきた。
 
僕が車に乗り始めた1990年代初頭は、こと自動車のデザインで言えば世界でトップを走っていました。いつの時代もそうですが金のある所に良い車は集まります。例を挙げよう思いましたが、多過ぎるのでやめます。今考えると当時の日本車は現在のドイツ車勢のような勢いがあり、海外のメーカーは戦々恐々としていたのだろうなと思います。
 
ところが1990年代も後半に差し掛かると、日本車もなにやら怪しい陰を感じるようになってきました。折しもバブルが弾け「不良債権」などという言葉をニュースで毎日聞くようになった時代、各メーカーも他人事ではなかったはずです。
車はコストダウンが始まりスタイリングからは魅力が次々と失われていきました。求められる車もクーペからミニバンに変化しどんどん画一化してしまい、日本車のエポックメーキングな車は消えてしまう羽目に…特に日産の凋落は目を疑う程でした。
 
どこかか凹めばどこかが凸る、経済とは非情なものです。再び自動車のトレンドは欧州に返っていきました。経済の「空白の20年」はまさに日本車の空白の時間でもありました。
 
きっと日本のメーカーにいた優秀な人材はどんどん海外のメーカーに散ってしまったのでしょう。
 
いやいや、日本にはハイブリッドがあるじゃないか!と仰る方もいらっしゃいます。逆境だからこそ生まれた技術も多々あります。しかし、消費者のマインドは省燃費・高効率の名の下にコストダウンされた遊びもなく、しかも安くもない車達に支配されていきました。
 
数年前、ある会合で某メーカーの偉い人に「若者が車を買ってくれない、どうすれば振り返ってくれるのか?」と飲み会の席で質問された事があります。失礼の無いように遠回しに「面白くない車は、それを使って面白い体験をしよう!と想像し難いのでは」と答えたのですが、じゃあ面白い車とは?と聞かれたので「あなた達が若い頃に面白がって作った車じゃないですか?」と返しました。相手は唸ってしまいましたが、それは会社の実情を、または自分の立場を考えて悩んでいるようで少し残念に感じました。

消費者からしてみれば会社の都合などどうでも良いことで、求めるものはいつの時代も変わらないのです。高いお金を払って夢が見れない様な車は作るべきではないのです。何かしら希望を与える事ができる!と信じて作って欲しいなと、心から思います。
 
そんな中2000年以降の、特にドイツ勢は破竹の勢いで自動車業界を席巻していきました。デザインの改革から始まり自動車の基礎的な技術の進歩を着実に行い、不得意だったインテリアの質感や品質の向上にも注力し、ハイブリッドがなければ日本勢に協力を仰ぎ、花を捨て実をとる欧州勢らしい合理的な手法であっという間に覇権を奪っていきました。国を挙げて本気できてますし、2015年にはVWが世界一になると予想されています。
 
そしてもう一つ、欧州勢の得意な「感性品質」はさらに磨かれていき、車を運転する為の安心感や楽しさ・快適性など、日本勢はどんどん置いてけぼりをくらっていったと思います。

今やらないと、本当に日本車は世界に置いていかれる。そんな危機感をユーザーが思っている位だから、メーカーはもう行動に移しているところでしょう。

すでにその成果は見えつつあります。スズキ、スバル、マツダ以外のメーカーにはもうひと頑張りして頂きたいですね。