またもや車が来るまでは(その一)
東モ行ってきました!
仕事を早めに切り上げられたので、16時から東京モーターショーに行ってまいりました。もちろんFITとHonda eを見に、どうしても私はHONDAが忘れられないようです。
どうでもいいですが東モは16時以降の入場料が1000円になっていました。会社帰りにふらっと行く人結構いるんですね〜。もう終わってしまいましたが、個人的には心の盛り上がりに欠けるショーになっておりました。とはいえ家族連れなどが楽しめる工夫などがあったので、車の魅力に触れられる貴重な機会創出だと思うと頑張ってほしーなーと思う反面、クルマ好きにとっては話題に事欠く感じでした。
とはいえ車選びに悩んでいた自分にとっては、久し振りにHONDAで期待できる車が展示されると聞き行かざるを得ないわけです。勇んで会場に着きFITの前に立った時、そこに「ときめき」を感じることが出来ませんでした。
FITに課された使命
軽しか売れないHONDAにとって、今回のFITは起死回生の一手を打たなければならない超重要商品な訳です。大抵HONDAのヒット車は肩の力の抜けた、誰も期待していなかったところから生まれるこ
とが多かったように思います。そこには新たな生活やシーンの提案があり、その遊び心にお金を払うという「粋」な金の使い方ができるメーカーだったと思います。でも今は立場も違うし作っている車種の量も違う、増えすぎた車種を統廃合し本当に売れる車を作らなければならないのです、肩の力を抜けるはずもないわけですね。特にFITはHVからEVに向けて変わりゆく自動
車の現在と未来をつなぐ、最重要車種になってしまっています。
もちろんとても良く出来た車だったと思ってます。これを買う人は後悔しないだろうし、FIT3のような失敗を二度とは繰り返さないでしょうから、安心して変えるとてもよく出来た車だと思います。特に車の中から外を見たときの視界の広さ、開放感を感じるインテリア、そつなく出来たシートやトリムなど価格帯に見合った、またはそれ以上の価値を表現できていることは間違いありませんでした。特に細いAピラー越しに見える前方視界は、きっとドライブを安全に楽しくさせてくれるだろうと思います。
デザインもシンプルでスリークになり、長く乗っても飽きないHONDAデザインが帰ってきたと思います。近年の派手なHONDA車に慣れている若い人はがっかりされているかもしれませんが、40代以上のHONDAファンには多分「よく帰ってきた!」と心から拍手を送っているのではと。
それでもときめかず…
とはいえその集大成とも言える、モデルにときめきを感じることはできませんでした。いい車なんですよ、でもキャラがなかった。みんなが買う車です、個性が無いことも大事なことです。でも私はそれが欲しかったんだと思います。
「e」にHVなりエンジンなりを積んでくれたらまじでそれ買います。でも、それは叶わぬ願いでしょうから…あー積んできたら一緒後悔しそう。
本当ならこれに乗りたい、でもプラグのないマンション住まいの僕には無用の長物。嗚呼、これは運命なのかもしれません。もちろんショーで見た「e」はとても良かった!トキメキましたね。前回のモーターショーで出たコンセプトよりも数倍良かったです。でもこれは買えない…辛い…
でもFITはそれの代わりにはなり得ませんでした。
CX-30に再会
西館からゆりかもめに乗ってトヨタグループの会場へ移り、MAZDAブースも寄って見ました。一応MX-30見に行こうかなと思って…こちらも肩の力の抜けてない、いや抜いてるよ的に見せられている感じがして逆に凝っちゃうという。で、そのディスプレイから一番遠いところにCX-30が置いてありました。
今回私がCX-30のデザインに感じているところは適度に肩の力の抜けた表現ができている、というところです。
ここからは私の推測になりますが、要因は例のS字のリフレクションを実現するための造形手法と、内側のレイアウトから押し出された造形シロの少なさです。私が愛したCX-3は確実に外側から作られた車です。過去にもカッコ良すぎるとか書かせていただきましたが、CX-3はパッケージングの前に造形があったからこそのあのデザインでした。
でも今回はそうも言ってられない。いくらカッコ良くても、使うユーザーが使用シーンを想い描けないユーティリティーでは売れないということです。ある意味では妥協の産物とも言えるのですが、その妥協点をいかに高次元で表現するかがいい商品になるポイントでもあります。
それと「S字」の表現、MAZDAは引き算の美学と語っておりますが、まさしく引き算しないとS字が表現できないんです。もしBピラーを頂点にして前後に絞り込んだCX-3のような造形にするとS字が綺麗に出ないんです。前後ドアの下のモールがぺったりして感じるのそこで、その部分ができる限り抑揚がない方がS字を美しく表現できるのです。その抑揚のない稜線からフロントのフェンダーに向けて凹みの造形を助けることでS字が完成する…ドア部分下外側に抑揚がないと足回りの空間に余裕が生まれますよね。CX-3はそこの抑揚がBセグメントとしては異常についており、結果後席の室内幅に圧迫感をもたらしておりました。
いやその方が車としてはカッコいいんですよ!ちなみに所有している私的に一番好きな部分は後部座席ドア下がは付近の面の抑揚です!(笑)そこと黒いモールの合わせが本当に絶妙だったんです。
でも、CX-30はその部分の処理ができないんです。いや正確には全幅が1860くらいあったらできたかもしれません、全幅1800以下に抑えるためにホイールハウス周囲のやドアモール上の稜線を入れざるを得なかったのではと思います。ボディーワークを優先して敢えてディティールを犠牲にできているのだと思います。非常に高度な技だとは思いますが、これまでの「ド」のつく真面目マツダデザインからは少し肩の力の抜けてきたのかなと思いました。
(つづく)