我が家にクルマがくるまでは…

そろそろ子供も生まれるし、自家用車の再購入に弾みがついてきた!さて、何を購入しようか…購入までを徒然に。

冷静と情熱のあいだ

(つづき)
その週の週末には早速ディーラーに行き、CX-3の見積もりを取りに行きました。しかし、営業から出された見積もりには少々驚かされました。自分の予算は250万までと決めていたので、下のグレード(XD)にLEDのパッケージやらDSRLやらつけていたら270万を軽く超えてしまいました。
 
デミオで欲しい装備を付けて、さらにセーフティーパッケージなる最新装備!もつけてもまだ230万にいかないことを考えると、結構高い買い物になってしまいます。家内にも250万を超えない自主規制を伝えていたこともあり、どうしようかと困ってしまいました。どう伝えればよいのか…
 
ここからは嫁攻略の話になるので割愛いたしますが、そこそこ正直に話をした所「運転するのはあなたですから、その差額なら好きな方にして下さい」という神(妻)の声が聞こえた為、気持ちは固まりました。どうやら妻にとっては日本車であればそんな問題では無い、ということだったのかもしれません。パンダの時はあんなに渋い顔してたのにな…
 
ひとまずXDに射程を決めてディーラーと商談し、XDTもチラつきましたがやはり合皮のシートが自分には合わないと感じたのと、少しでも安く抑えたい一心もあり、なんとか装備も決定し商談成立と相成りました。実は新車を買うのは初めてでもありディーラーとのやりとりには少々疲れましたが、担当者の慣れた捌きとお店第一号の予約ということもあり粘り強く付き合っていただき気持ちよくハンコを押させていただきました。最近のマツダは値引きが渋いと承知してたのですが、商談成立直前にオプションがらみで勉強していただいたのはとてもありがたかったです。
 
振り返って見ると当時は辛かった日本車しかないという選択肢でしたが、この選択は後々都会での自動車生活にちょっとした変化を生むことになりました。低燃費とはこんなにもドライブを身軽にしてくれるものかと。

言い訳

しかし、この予約を入れたのは1月10日前後だったなと思うと、もうすでに半年が経過しておりブログのサボりすぎを反省しているところであります。個人的には仕事が立て込み激務になったのと初めての子育てと自分の病気が一気に来てしまった為、PCに向かってブログを書く気になれませんでした。でもなんだかんだ見て頂いてる方がいらっしゃるようですので、これからは定期的にレビューなどを書いていければと思います。
 
思うところもままありますし、できるだけ冷静にこの車を見極めてここにレビューできればと思います。しかも見返してみたら、この前の投稿が長文すぎるなと…契約前後で高ぶっていた気持ちがお見惚れますね。これからはその間でブログが書ければと思います。

車種選定待った無し!

時間が、時間がない!

もはや待った無しなのでした。
子供も産まれ日に日に不便さが増していくのにつれ、焦りもありました。どう考えても3月までには車が欲しい…どうしようっ!!!

考え得る車はみんな見てきました。旬の車から気になるものまで。子供の成長はとどまることを知らず、家から出ることも難しくなってきた…

ダイハツのウェイクは僕にはある意味やり過ぎ感があり、特に横風の厳しい高速道路を走る身としてはあの高さは致命傷です。いくら技術があっても、物理の法則には勝てません。

スバルのXVはとてもいい車でした。でも欲しい色はご近所さんにモロ被り、友達も同じ物を持っていて買えないなと…フォレスターも良いけど予算的に買えなかった。同じ理由で三菱デリカD:5も手が出ず。この2社は四駆が欲しい場合の選択肢でした。雪国出身なもので…でも冷静に考えると雪国は除雪がしっかりしてるのでよっぽどじゃないと四駆が必要ないし、ましてや関東では燃費が悪くていらないなと。

マツダ・デミオはとてもいい車で感心仕切りでしたが、自分的には後席の閉塞感がどうしても気になり、やはり手が出ず。すごい良かったのにな。あと顔が怒って見える、つり目の車があまり好きでないのもので…

もちろん、フィアット・パンダも悩みました。自分の中では理想的なサイズとエンジンでしたが、妻の外車アレルギーと「後ろ狭くない?」という言葉に諦めざるを得ませんでした。今回の車選びでは嫁と子供の快適性も踏まえると決めていたため、無視できない言葉でした。

ちなみにドイツ車は一切候補には入りません。「ゴルフかポロにすれば?」と何度も言われましたが、僕の中でドイツ車は良くて当たり前のリファレンスであり、日々の生活を共にするには少々出来過ぎでつまらないのであえて選びませんでした。もし選ぶとしたらゴルフ・カブリオレニュービートルかなと。あだ花に惹かれてしまうのは悪い癖とは知りつつも、ドイツ車だけは乗らない人生になりそうです。

国内他社のトヨタ・日産・ホンダ・スズキには欲しい車がなかった。元来ホンダ党としては寂しい限りですが、最近のCVT偏重加減やDCTのリコール問題など諸問題が山積しているのに社長がきっちり説明しない姿勢など、従来のホンダならあり得ない事が多過ぎて応援するのも疲れました。
エンジンが心臓ならミッションは肝腎要、ホンダはある意味技術開発を手広くやり過ぎたように思います。願わくは今年出る車でユーザーの心を掴んでくれる事を願っています。
こんな事言ったら怒られるかも知れませんが、元々のホンダユーザーはへそ曲りですからね。他と同じような車は作って欲しくないものです。

でもって!どうしようかと悩んでいたら、マツダの営業さんから「今度CX-3ってのがですね…」と情報を頂き、オートサロンに出るというので早速行って参りました。

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印象としてはSUVというよりは、5ドアハッチバックSUVのテイストを入れたという感じでした。
でも、デミオで感じていた後席の閉塞感が払拭されている印象で、トランクもデミオよりも少々広い。ちょっと足りてないかなぁ〜、という所がなくなっていました。
その場にいた説明員さんに聞くと、特に後席は幅や奥行きは変わっていないものの、姿勢をアップライトにし前席との高低差をデミオよりも大きくすることで感覚的な解放感を向上させたとの事。実車の感覚も言われた通りで、これなら嫁や子供もロングドライブで苦にならないかもと感じました。
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どうしても実家の往復をしなければならない為、400キロ超の道程でも苦にならない感覚が欲しかったので思いっきり刺さりました。前席も多少アップライトになっているとのことで、運転感覚もデミオよりは少し楽だろうと察しがつきます。

自動車のシートポジションというのはとても重要で、ただ寸法が大きいから良いというものではないと思っています。
僕の場合はただ広いだけの後席があまり好きではなく、ある程度囲まれていながら開放感がある方が好きなのでとても好印象でした。ホンダのHR-Vの感覚に近いと思います。いい車だったな…
またウインドウグラフィックもタイト目に見えますが視界は開けて感じます。感覚的な開放感というのは、ただ単に窓が大きいとかだけではないのだと改めて感心しました。とても吟味されたインテリアデザインだなと感心してしまいました。
エクステリアも凄く良くできていてカッコいいのですが、本当は道具感のあるデザインが好きなので…でもマツダモデラーの造形力は国内では群を抜く凄さです。というか世界的に見ても5本の指に入るでしょうね。やるべき事をキチンと実践しているから、カッコよく見える。CX-3もマジマジと見てきましたが、特に側面は線を極力減らして面の表情で勝負する!という意気込みが伝わってきました。あれは相当苦労したと思います。

ジワジワとこれにしようかと悩みながら車の周りでずっとウロウロしてたら、説明員の人に「今日は開発責任者が来てますので、是非お話してみて下さい」と促され、CX-3の開発主査である冨山さんとお話しさせて頂きました。
聞けば冨山さんはベリーサの主査だったこともあり、今の時代の小さいながらも上質な車を作りたかったとお話して頂きました。
色々お聞かせして頂きましたが、最も印象に残ったのは、「このクラスで今できることはすべてやりました。大きさや単なる高級じゃない上質さにこだわって、企画から設計・デザインに至るまで全て妥協しない事を目的に開発しました。広い車なら他にいくらでもある、そこじゃない価値を突き詰めるために大変苦労しましたが、お陰で良いものができました。」という意気込みでした。これはなかなか言える事じゃあない、妥協の許容量の問題だろうけれど他社と同じ物は作らない!という情熱が伝わってきました。
なんでもデミオとCX-3は出来が良すぎて、特に内装が上位モデルとのヒエラルキーを崩してしまった為、急遽アテンザとCX-5は突貫で内外装チェンジしたそうです。ちょっとしてやったりという顔をされたのも、この商品の出来の良さを確信しているが故と思いました。
モノづくりに携わっている者としては、こんな人の元で商品開発できたら楽しいだろうと思わせてくれるお方でした。

そんなオートサロンの帰り道、ボンヤリと自分の車の理想像を考えていました。
・小さい事(持て余さないサイズ)
・2000cc以下の排気量
・妻、子供が窮屈でない事
これまでも小さめな車しか乗ってこなかったため、大きい車には少々アレルギーがあります。個人的には4m以下の全長と思っていましたが、後席と荷室の両立を考えると多少伸びてもいいかと思えて来ました。
エンジンは1.5lで問題なし、しかもディーゼルならデミオの試乗で経験済み。トルクフルで運転か楽でした。
最後に、妻と子供が窮屈に感じない事もCX-3ならギリギリ大丈夫だろうと。妻もデミオの後席で「カタログ見ると狭そうだったけど、乗ると案外広いのね」と言っていたし、それよりも開放感のあるCX-3なら問題ないだろうと。
徐々にCX-3に心が奪われている事に気付いていました。それでも踏みとどまろうとしていた自分もいました。理由はエクステリア、特に顔が「速そうに見える」事でした。でもエクステリアなんて乗ってりゃ気にならなくなるか、と自分に言い聞かせて、寧ろ全体パッケージに惹かれたこの車に賭けてみようと思えるようになりました。(続く)




日本車と輸入車

車選びというのは、本当に難しい。
 

今回の車選びは当初輸入車オンリーに絞っておりました。折しも国内では原油高ゆえのエコカー一辺倒に辟易しており、逆にそこまでの技術を持ち合わせていない大好きなランス勢が、シンプルながらまたもや楽しそうな車を提案してきていたからです。結果本命トゥインゴ、次点パンダ、大穴C4cactusのイメージで待つ覚悟でした。その時点では日本車で欲しいのが見当たらないのが正直なところでした。

 
以前乗っていたクルマはルノー・モデュスでしたが、以前のブログで書いた通り良いクルマだった反面結構な壊れ方をしてました。僕はそれでも好きだったのですが、嫁にはかなり嫌われておりました…。
嫁さんがそんな状態だったので、今回は全てをフラットに車を見て、日本車にも良いものがあればそれでいい!と開き直ったのです。
 
誤解のないように言いますと、僕は決して日本車が嫌なわけでもなんでもありません。むしろ日本車の歴史は誇るべきものですし、欧米列強(笑)との闘いの歴史は日本車だからこそ成し得たと考えております。
 
では何故輸入車に目が行くのか、僕の場合はスタイリングが要因でした。単純に輸入車がかっこよくなってきた。
 
僕が車に乗り始めた1990年代初頭は、こと自動車のデザインで言えば世界でトップを走っていました。いつの時代もそうですが金のある所に良い車は集まります。例を挙げよう思いましたが、多過ぎるのでやめます。今考えると当時の日本車は現在のドイツ車勢のような勢いがあり、海外のメーカーは戦々恐々としていたのだろうなと思います。
 
ところが1990年代も後半に差し掛かると、日本車もなにやら怪しい陰を感じるようになってきました。折しもバブルが弾け「不良債権」などという言葉をニュースで毎日聞くようになった時代、各メーカーも他人事ではなかったはずです。
車はコストダウンが始まりスタイリングからは魅力が次々と失われていきました。求められる車もクーペからミニバンに変化しどんどん画一化してしまい、日本車のエポックメーキングな車は消えてしまう羽目に…特に日産の凋落は目を疑う程でした。
 
どこかか凹めばどこかが凸る、経済とは非情なものです。再び自動車のトレンドは欧州に返っていきました。経済の「空白の20年」はまさに日本車の空白の時間でもありました。
 
きっと日本のメーカーにいた優秀な人材はどんどん海外のメーカーに散ってしまったのでしょう。
 
いやいや、日本にはハイブリッドがあるじゃないか!と仰る方もいらっしゃいます。逆境だからこそ生まれた技術も多々あります。しかし、消費者のマインドは省燃費・高効率の名の下にコストダウンされた遊びもなく、しかも安くもない車達に支配されていきました。
 
数年前、ある会合で某メーカーの偉い人に「若者が車を買ってくれない、どうすれば振り返ってくれるのか?」と飲み会の席で質問された事があります。失礼の無いように遠回しに「面白くない車は、それを使って面白い体験をしよう!と想像し難いのでは」と答えたのですが、じゃあ面白い車とは?と聞かれたので「あなた達が若い頃に面白がって作った車じゃないですか?」と返しました。相手は唸ってしまいましたが、それは会社の実情を、または自分の立場を考えて悩んでいるようで少し残念に感じました。

消費者からしてみれば会社の都合などどうでも良いことで、求めるものはいつの時代も変わらないのです。高いお金を払って夢が見れない様な車は作るべきではないのです。何かしら希望を与える事ができる!と信じて作って欲しいなと、心から思います。
 
そんな中2000年以降の、特にドイツ勢は破竹の勢いで自動車業界を席巻していきました。デザインの改革から始まり自動車の基礎的な技術の進歩を着実に行い、不得意だったインテリアの質感や品質の向上にも注力し、ハイブリッドがなければ日本勢に協力を仰ぎ、花を捨て実をとる欧州勢らしい合理的な手法であっという間に覇権を奪っていきました。国を挙げて本気できてますし、2015年にはVWが世界一になると予想されています。
 
そしてもう一つ、欧州勢の得意な「感性品質」はさらに磨かれていき、車を運転する為の安心感や楽しさ・快適性など、日本勢はどんどん置いてけぼりをくらっていったと思います。

今やらないと、本当に日本車は世界に置いていかれる。そんな危機感をユーザーが思っている位だから、メーカーはもう行動に移しているところでしょう。

すでにその成果は見えつつあります。スズキ、スバル、マツダ以外のメーカーにはもうひと頑張りして頂きたいですね。

それでも世界の車は面白い

デミオの1日試乗も素晴らしい体験でしたが、もう一つとても楽しい試乗ができました。

もともと目をつけていた車の輸入開始時期が大幅に遅れそうな情報がどんどん入ってきて、がっかりしながらマツダ車に絞りかけていた矢先にそのニュースは飛び込んできました。

 

「FIAT PANDA MT限定で発売!」

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これには心躍りました!実はパンダはとても気になっていた車でしたが、ミッションがデュアロジックしかない為あきらめていたからです。

何故あきらめていたか、それはデュアロジックが壊れるからです!w あれほど信頼の置けないものはありません。これはディーラーも認めているし、渋滞の多いこの国ではシングルクラッチATの負荷は甚大ですので仕方がありません。大体欧州の人たちは小さな車向けにATを真剣に作る気がないです。トルコン作るならもっと多段にしないと効率が悪い、ダブルクラッチはデカイし重い、だったらシングルクラッチ!は自然のながれですけどね。

もちろん壊れることを知っているからユーザーも買わない、だったら大して苦じゃないし壊れないMTに乗ったほうがましという悪循環(でもないか)。そもそもMT比率が高いから、いや壊れるから売れないのかわかりませんが。

ところが日本市場は9割近くがATという世界でも稀な市場です。多くの欧州車が日本に輸入されない理由でもあります。僕が心待ちにしているTWINGO3やC4 Cactusの輸入が遅れているのも同じ理由でしょう。向こうの廉価車は本当にATの設定が遅い。

 

で、ここにきてのPANDA MTの発売開始。嬉しすぎます。近頃のイタリア車の影の薄さには本当に寂しいものを感じておりましたので、この英断は心から応援したい。なんとなくルノーカングーの成功を横目に見ているような気がするものの、ベーシックカーをできるだけ安く提供することで裾野を広げようとすることは全くもって正しい。

 

「だって、大衆車メーカーなんだから。」

 

そもそも輸入車とはいえど、デザイン力も車の性能もアドバンテージは少なくなってきています。もちろん前回書いたような基本性能に対する意識の違いはあるのですが、とはいえそれだけで高い価格で戦えるほど日本市場も甘くはありません。特に信頼性の高い日本車を相手にしなくてはならないのです。

 しかしながらこの車の魅力はなかなか代え難いものがあります。それはTwinAirエンジンとMTの組み合わせです。

私が乗れたのはPANDAのMTではなかったのですが、500Sで味わったトルクと回転上昇の感覚は、近年の車になかった機械を操る感覚が蘇ったように感じました。トコトコしたアイドリングから感じる優しさとは裏腹に、踏めば目を覚ましたかのようにビートを奏でながらグイグイ加速する。こういう感覚は10年くらい味わってなかったように思います。

効率を追ったはずの先進の技術すら、らしさを求めてしまうのは、さすがイタリア人だなと改めて感心しました。

街中ではもちろん高速でのスタビリティも十分以上であり、追い越し車線をキープすることすらできる。しかも静粛性もそこそこあり、エンジンの心地よいビートのみが身体に伝わるような演出も素晴らしい。

この車買ったら、クルマ好き・運転好きにはたまらないなと思いました。ああ欲しい、欲しかった…


敵は内にあり、嫁がどうしても首を縦に振ってくれませんでした…トホホ。


原因は前に乗っていたルノー・モデュスの故障の多さと諸々維持費の高さ。特に正規輸入されてなかったモデルだったのに加え、特殊な部品が多く他のモデルとの部品共有がなかった為ほとんどが輸入せざるを得なかった…外車にはありがちなことですが、手堅い車しか経験のない嫁には刺激が強すぎたようです。


ということで、車探しの旅は続くのでありました…

デミオ後の日本車の未来

個人的に激動の2ヶ月を経て、ようやく気持ち的にブログ再開と相成りました。

まあ、誰に向けて書いてるわけでもないので別に良いのですが、漸く車の事を考える余裕が出てきたので。
 
昨日デミオに1日試乗させて頂き、ディーラーの方には感謝です。その時思ったことは、この車が出た意義は日本車にとってとても良かった!ということです。

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これまでの日本車にはなかった「洗練」を感じる事が出来たからです。スペース効率で言ったらフィットの方がいい、安さで言ったらマーチでもヴィッツでもなんでもある。この車の最大の特徴は普通(ベース性能)をこのクラスの車で研ぎ澄ました事にあります。
 
鋭いハンドリングよりもロールを許容しつつ幅のあるハンドリングを実現し、アクセル反応をある程度ダルにして燃費を意識しつつも踏み込めばBクラスらしからぬ加速が出来る。運転手として虐げられるwお父さんにとって、この二つだけでも嬉しいのに、ドライビングポジションが運転をさらに楽しいものにしてくれるという、ドライバーオリエンテッドな車でした。「Be a driver」は伊達じゃありませんでした。
 
最近の日本車には無くなっていた選択肢が、高度に最適化されて帰ってきたと感じました。広島の小さな自動車メーカーであるマツダが見つけた生き残る道は、マーケットに左右されがちな日本車の中で見落とされていた本質的価値に光を当てた英断と言えます。
 
ちょっと裏読みすると、スペース効率の良い車を作るには優れたボディ設計が必要なのですが、実は自動車の中でこの技術ほど育てるのが難しい技術はありません。スペース効率を上げつつドライバビリティを上げるというのは、技術と経験の蓄積でしかないからです。ことボディ技術だけでいえば、日本ではトヨタの右に出る者は金輪際出ないはずです。最近は箱物だらけのホンダですら、トヨタには到底及ばないでしょう。
 
そんな中マツダはスペースを多少犠牲にしてでもドライバビリティに重点を置き、他社とは違う顧客価値を提供する事に舵を切ったのかなと思います。とはいえ必要最小限のスペースは確保されているし、デザインの工夫で圧迫感のないインテリアを提供しています。
同乗した嫁が最も気に入っていたのはそのインテリアの開放感とシートの出来の良さでした。ドライバーは適度に包みながらもパッセンジャー側は解放感を演出する。数値では現れない価値を実現出来る、デザインのなせる技といえます。

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この車を見て、悔しがっていない技術者はいないと信じたい。目指すベクトルは違っていようが、基本性能を突き詰めるのはモノを作る上で当たり前のこと。そこを疎かにしているメーカーは、今憂き目にあっている所です。逆にマツダやスズキは世界で戦わざるを得ない分、基本性能の向上が目覚ましく市場の評価もうなぎ上りですね。今元気なメーカーはきちんとやるべきことをやっています。
 
もちろん他の自動車メーカーも黙ってはいない筈、というか是非とも頑張って頂きたい!きっと2016年後半位からは楽しそうな車が出てくると信じています。
 
基本性能の高さは車の魅力そのもの、安くても出来ることは沢山あるはず。是非しのぎを削って頂きたい、それがデミオ後の自動車の未来になると確信してます。

新型デミオ試乗

このブログ始めようと思っていた頃、まだこの車は発表されてませんでした。
コンセプトがジュネーブショーで出てたくらいで、その時はいい形だけど市販車は違うんだろうな…とか。

いざ、発表されたらおー、結構再現されてる、スゲー!となりまして… で、乗ってきました。

実は新型デミオに乗るのは今回で2回目で、前回はガソリンを、今回はガソリン・ディーゼル両方を試乗できました。

とはいえ結構短い距離の試乗なので、長距離の感覚は掴めていませんが…ありですよね、これは。

個人的にはガソリン車の軽さというか、ヒラヒラ感は好きです。軽い感じがいい。レスポンスの良さはプラマイゼロといった感じでした。実際エンジンルーム開けてみたら、ガソリン車は隙間だらけ。ディーゼルが100kg軽いのも頷けます。

でも、それ以上にディーゼルのクッ!とくる感じ、クイックネスとは違うんですがストレスを感じずに運転できそうだなぁと感心しました。長距離だとこういう力強さは疲れに直結するところなので、田舎が遠い人間はやっぱりディーゼルかなぁと思いました。

いずれにしろ、どちらも今までのBセグメントのイメージとは程遠いくらいシッカリしていて、確かにポロくらいの域まできているなと感じました。

内装のクォリティは個人的には大合格、元々ソフトタッチとかどうでもいいので。
インテリアデザインはとてもいいと思います。テーマが明解で変に形に凝ってない、大人な内装です。先代よりも洗練されてますね。

これで壊れない日本車ときたら…そりゃ心も動きますよね。

でも唯一、ちょっと引っかかるのはエクステリアデザイン…デザインテーマの「鼓動」もかなり熟成されてきて、デミオでここまで表現できるとは思いませんでした。実際見るとそこまでいかつくないですし、角度によって色んな表情を見せてくれます。

でも、ここまでカッコイイ!感じじゃなくても良かったな…と言うのが本音。カッコイイのは飽きちゃうんだよなぁ。
贅沢な悩みかもしれませんが、結構同じ悩みの人いるんじゃないかと思います。

ま、でも今の日本のメーカーでここまでデザインしきって出せるのはマツダくらいですね。本当に隅々までデザインしている。CX-5の時に感じたやりきれてない感じが無くなっています。
しかもアテンザよりもバランスがいい、面の強弱が適切で遊びがない。そもそも小さい車はデザイナーやモデラーの最も腕が試されるサイズです。本当に素晴らしいです。

でも、やっぱりカッコよすぎなんだよなぁ。どうしようっ!悩みは尽きませんね…

欲しいクルマ(続きの続きの続き)

最近になってBセグメントは変化の時を迎えていますね。今までの安かろう悪かろうではなく、各社共に注力するようになってきていると感じます。

 

その証拠に、日産・マーチや三菱・コルトが売れていない事が挙げられます。小さい安いそれなりの車は今の技術なら軽で十分であって、コンパクトカーを買う層はそれなりの移動距離をこなせる、安全性や燃費効率の高いクルマにしたいと考えているはずです。
 
特に今までのその上のクラスを買っていた層が小さくても良いクルマに乗りたいと思っているとすれば、ダウンサイジングしても安かろう悪かろうには乗りたくないはずです。
少なくとも欧州のメーカーはそこに注力していますし、国内でもそれを意識したモデルが生まれはじめてます。
 
もちろん、フィットやアクアもハイブリッドをこのクラスに持ち込んだ事で成功してはいますが、クラスレスを感じさせるまでは至っていないと思います。
 
軽自動車のN-ONEはいい例ではないでしょうか。ミニバンでもなくオーソドックスなHBながら、クラシックなスタイルにインテリアの仕立てを上質にして、軽にありがちな我慢する感じを払拭しています。
実際都内のディーラーでは世田谷辺りのBセグユーザーが、これなら軽でもいいと買い換えていく人が多いと聞きました。
 

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ちょうど同時期にVWのup!と試乗比較しましたが、雑誌で読むようなup!の良さはあまり感じず、逆にN-ONEの良さが際立ってしまいました。相対的な走行性能ではup!ですが、とにかく小さな空間の使い方やインテリアの上質感はN-ONEの方が確実に上、ターボになれば高速もそこそこ走るとなればup!の立つ瀬はないです。両方試乗して実際にN-ONEを買った人の話も聞きましたが、それはそうだと納得しました。
 
小さいクルマ作りでは、日本は圧倒的な技術の蓄積があると思います。up!については、小さいからリアウィンドウが開かないというのは、はっきりいって怠慢です。軽自動車でリアウィンドウが開かない5ドアがありますか?貨物車以外で。ヨーロッパらしい合理主義としてほめる評論家も居ますがただのコストダウン、僕は子供に窓の開かない後席には座らせたくはない。だったら3ドアに乗ります。
 
話は戻って実は、欲しいクルマでいえば僕もN-ONEには触手が動きました。
(ようやく書けた…)
ただ、上質にしながらもホンダならではの「遊び」が欲しかった。スタイリングも然り、背が高過ぎますね。せっかくの「非ミニバン」なのに1550を超えるなんて…最初のコンセプトからのブレが大き過ぎるとも思いました。
そこに今のホンダの問題があると思います(この問題はいずれ書きたい)。ポテンシャルがあっただけに、ホントに勿体無いとおもいました。(ファン故の悩み…こういう人は僕の周囲に結構居ます)
 
シトロエンのC4cactusとか見てると、ホンダはなんでできないのかな…ホンダがやるべき事をやられていると思ってます。
はっ、またホンダの話に…我ながら困ったもんです。
 
そして今年、日本の自動車業界に杭を打つクルマが発表されました。
 
それは「マツダ・デミオ」です。

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僕はこの車をターニングポイントに、日本の自動車業界が変わると思っております。いや、変わってくれると信じています。
 
その辺りは次回に…次はタイトル変えた方が良いかもな。